脳動脈瘤塞栓術

脳動脈瘤の中に直径0.6〜0.8mm程度の非常に細い管(カテーテル)を慎重に入れて、金属(プラチナ)製の「コイル」で動脈瘤を埋めます。

非常に繊細な治療なので全身麻酔での治療が望ましいのですが、患者様の状態(年齢、脳のダメージの程度、脳以外の全身合併症)によっては、局所麻酔のみ、または鎮静剤で眠っていただきながらの治療も可能です。

クリップ手術の難しい場所にある動脈瘤や、ご高齢の方、肝臓や心臓に問題があり全身麻酔がかけにくい方などに特に有効ですが、血管内に露出したコイルに血栓ができ脳梗塞を起こす危険性がある問題、動脈瘤内に挿入したコイルが長期間の間に変形するなどの理由で動脈瘤が再発する(コイルコンパクション)ことがある問題、このため治療効果がクリップ手術と比べると劣る(再出血する可能性が高い)などといった問題があります。
また、クリップ手術の場合と異なり、万が一治療中に出血した場合の止血の処置がとりにくく、また治療中に血栓予防薬を使うため、万が一出血が起こった場合重症となる危険性が高いのも欠点です。

一方、くも膜下出血の患者様で、クリップ・コイルのどちらでも治療が可能と判断される動脈瘤の場合、コイルで治療を行ったほうが予後(後々の結果)が良いことが、海外の研究で明らかとされました。

脳血栓の問題に関して、血栓予防薬の効果が患者様の体質や状況によって大きく左右される問題がありますが、平成18年より海外で広く使われている効果が強く副作用の少ない薬が認可されました
血栓予防治療が弱いと、万が一の動脈瘤の破裂の際には軽く済む可能性が高くなります。治療中の動脈瘤の破裂は生命に関わるのでその方が安全なのですが、治療中や治療後に脳血栓を起こす危険性が高くなります。

特に、くも膜下出血直後の患者様の治療では治療中の再出血の危険性が高いため、血栓予防治療とのバランスが難しいのが実状です。そこで、それぞれの患者様の状態や動脈瘤の閉塞のされ具合などを参考に、判断することになります。