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11月の展示
EXHIBITION  園家誠二
11月25日(木)−12月9日(木)
営業時間  12:00−19:00 


墨のかすかな、かすかな染みの美しさに、心うばわれて見惚れていたある日。
時を経て今、それは星月夜の遠いまたたきに似た確かさを持つ墨色のきらめきとなって
さやかに、ほのかに、大画面に散開しているのです。

閑々居の茶室をグルリと囲んでしまいます。静かな星空に囲まれて時を忘れていただきたい。
 
 
本当に、ほのかで、かすかな墨色は写真では出てきませんが、完成間近い制作風景を載せておきます。



10月の展示



 
 御所野3 PM6:35 10/SEP 2010  綿布 186.5x339.0cm 茶室の正面の壁いっぱいの大作です。



9月の展示

苧坂恒治 吉祥「うずうず文様」
9月16日(木)-30日(木)
日曜はお休みで、祭日は営業です。

   
径35cmのとっても大きな土鍋です。チャンコ鍋を囲む体育会系忘年会にはぴったりでしょうか。とても丈夫で、焼肉も出来るとのこと。万能のマルチ土鍋。もちろん小さいサイズも有ります。縄文土器のようなエネルギッシュウズウズ。  これでもか、のうずうず赤絵皿。飾っておきたい逸品。でもふぐの薄造りにはきれいでしょうね。
   
夫婦の湯呑です。底裏も呉須のウズウズで、硬い土。 たっぷりした急須です。普段使いにはもってこいの大きさ。



5月の展示


間島秀徳
「水中考」
5月17日(月)--31日(月)
12:00--19:00 23日のみ休廊
完成 Kinesis no.423 (Bakuhu Un) 200x510cm


写真ではみえにくいのですが、具象的に水面を俯瞰する空間があって、
今までにない鑑賞導入感といった引力が生まれています。
ライトを消して自然光だけにした途端に、人と作品がスッと繋がるのはちょっと事件です。
そして、人は寡黙になり、絵は静まり返る。
どうぞ、確かめてくださいませ。






お天気が悪く、間島さんの制作はピンチ。4月中旬、アトリエ内で。 どうもすっきりしないお天気ながら、170x200cmをデッキに運んで
何やら点検しております。背景に広がる霞ヶ浦。湖畔の畑はまだ冬の表情です。撮影は夫人の由。その後どういう展開になったのでしょう。



3月の展示
EXHIBITION 石の刀 そして美しい石の板
3月25日(木)−4月10日(土)
12:00−19:00 日曜休廊

浅香弘能
銘 <KABUKIMONー朱雀>  大理石・黒御影石  
右の写真は浅香弘能さん。刀がデコボコしているのは図像をphotoshopで動かしたからです。すみません。
<Eagle <Eagle
<KABUKIMONー玄武> <KABUKIMONー白虎>


 作家から                    【石】

石は天然素材の中で限りなく不変に近い素材だと言えます。時を経るほど風格を重ね、深みを増していきます。
石という不変の存在感に魅せられ、制作過程で石の割り肌に地球の誕生から今日までの悠久の時間を感じる事があります。一見、冷たい表情ととられるが仕上げるとき手で丁寧に研ぐことで触覚的なぬくもりのある作品を生み出します。
石の表情、温もり、輝き、重さ、硬さ、美しさの全ては、地球が何十億年という時間を経てつくりあげた産物であり、エネルギー物質です。
石が存在してきた太古の記憶、その大きな素材にちっぽけな一人の人間である私のエネルギーを出来る限り注ぎ込みました。

厳寒の仕事場で細かな作業。まさか・・雪
粉塵と音、仕事場というのがいつも問題。
それだけでなく石彫というのは因果なジャンルです。
重くて硬くて危険な仕事。
大きな石を割ったり、上のようなグラインダーで破片を飛ばしながら削ったり。
そして、出来た作品です。
北條は心から感謝していますよ。




「春待ち茶席」
2月8日(火)ー19日(土)
ぐるなびから、載せませんか、とお誘いいただいての企画です。

馬場伸子の桜をいっぱいに咲かせて、春よ来い〜♪です。
ぐるなびですから、何か飲食がいるわけで、「抹茶と豆寒」1200円、となりました。

満開の桜は「山桜」、そして「白藤」も。
   
「春爛漫」 助六が下駄を鳴らして散らしているようなそんな風情の桜です。 6号
「藤花図」風に揺れる藤の花房。静かな春の午後。6号

豆寒は、寒天と、黒豆。
伊豆大島のテングサで、鳥取佐藤農場の黒豆で、すべて北條が作ります。
ちょっと自慢の閑々居の豆寒です。(この寒天はしごくお腹に良いのです。)
どうぞお出かけください。お花見気分です。



2009年 11月の展示


大泉佳広



出展作品(大きな作品は19日に到着。すべて平面ですので誤解のないよう)


TOKI NO HARI 30号  ¥500,000 TOORINUKE 47.5x60cm  ¥250,000
ASHITA NO JYUNNBI  48x69cm  「美術の窓」技法講座 掲載作品
 ¥300,000
HUNADE NO JIKAN 32.5x58.5cm ¥200,000







大泉さんは、この秋の独立展で新会員。34歳。まずはメデタシメデタシ。
独立展の出品作は圧巻。


こんな風に北條には見えました。
大きな大きな力が存在して、小さな人間の営みの中に情報としてブンブン入ってくるのです。
ソレは虚像ですからどこまでもふくれ上がって、人々は実体のない荒々しい不安に揺さぶられるのです。ほんとうに嫌じゃありませんか。
仕事場、すなわち社会的存在の所属機構では、竜巻は確かな力として存在するでしょう。しかし解析されて数値にされて、トリアエズかたづけられて永遠の継続審議。
機構は窮屈に排他的に、むりやり無事に、不安な皆を乗せて回り続けます。

渡しの独断解釈ですから、作家に叱られるかもしれません。

でも、超絶テクニックで現代社会の危うさを捉えた立派な作品です。
画廊が広かったら、掛けたいとつくづく思います。

大泉さんの、いつも本質を見つめる目と、表現しようとする情熱は両輪となって「絵画に出来ること」を載せて進んでいくのです。どうぞどうぞ応援してください。





10月は常設展示

画廊外催事 「壁に苔庭、お茶を楽しむ」
ハウスクエア横浜 情報館3F 苔の展示場にて
「自然を楽しむ住まいフェア」に参加
10月17,18日の週末 茶菓無料


どうぞお出かけくださいませ。いろいろイベントやらマーケットやら楽しそうです。
横浜地下鉄中川駅前。あざみの駅の隣の駅です。
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9月の展示
藤井雷
FUJII Rai

「緑陰幽草」
己丑 藤井雷 28歳 夏

9/11(金)-23(水)
連休は閑々居へ。


北宋の詩人(政治家)王安石の「初夏即事」から引用の画題です。

石梁茅屋有湾碕  流水濺濺度両陂
晴日暖風生麥気  緑陰幽草勝花時
倣安堅 初夏 早朝小枝
風景を前にして仕上げていく制作の間、ずっと風や光が語りかけます。
それが作品に染み込んで、この穏やかな空気感になっているのだと思います。
また古来、古典を写すのは勉強ではなく、安堅の作品を藤井はこう観た、という表現のひとつです。
ご存知のように東北アジアの絵画のあり方は、西欧絵画論とまったく軸が違います。
安堅は朝鮮李朝の代表的な画家です。日本でいえば雪舟のような。

今回は「絵ちょうちん」を制作。小品8点は額装。古典の臨摸が2点額装。軸装2点。
お楽しみに。

石梁茅屋有湾碕  流水濺濺度両陂
晴日暖風生麥気  緑陰幽草勝花時



町外れの川沿いの道、石の橋、藁葺きの家、さらさら流れる疎水、いいお天気。
春の風が運んでくる麦の香り。
道端の木陰の瑞々しい若草の美しさは、皆が愛でる花の時よりもずっと素晴らしい。

とかなんとかいう意味なんでしょう。

しかし、一見、のどかな田園風景を写した詩のように見えますが、辣腕政治家の
「私の政策は間違っていない。この平和な風景。こうでなければ。」という理想と自負
の詩です。
王安石は弱者に篤い政策で、利権まみれの官僚を敵にまわしながらも皇帝の信を
得て、総理大臣として力を尽くした稀有な政治家です。
この詩にも、彼の考え方や感性がよく表れています。仏教徒で墨子を愛読、だそう
ですから。

農民の生活が落ち着いていて、治水のおかげて畑は潤い、川は暴れず、日照りも
蝗害もなく麦は無事に実りの時をむかえています。
繊細な春の草も軍靴に踏まれることなく柔らかな葉を揺らしているじゃありませんか。
花を楽しむとて、豪華な宴をはる上流階級の奢侈も、暗にイマシメています。
表向きは「初夏の散歩で見たもの」という体裁になっていますけれど。

ヒューマニスト藤井雷らしいテーマです。
鎌倉のタブやクスが茂る、ほの暗い尾根道の曲がり角です。小さな緑がこもれびに
チラチラ輝いているのに出会いました。大急ぎで脇の斜面に陣取って紙を広げ、墨を
擦り、描きはじめます。
頭の中に、ある方が彼に語った「緑陰幽草」が浮かんでいました。


7月の展示 
 


7/1(wed)−7/11(sat)

西陣生まれの作家が描く京の空気感。
道具立ては曲線一本。
それだけですけれど、雪がやんだ暮れがたの
底冷えが伝わります。
雪見障子がいいですね。コタツの上にお銚子で。
「寂」10.8x11.6cm 
まさしく今日のような万緑にそそぐ雨。
豊かに潤う日本の風土。
ゆるやかな斜面に、何か咲いているのかな?
実物はもっと新緑です。

「翠雨」 73x53cm
ガラスを流れ落ちる雨のしずく。
一緒に流れていく時間。
窓の向こうは、暮れそうで暮れない夕まぐれ。
梅雨冷えに親子3人、ほっこりしている気配です。

「こぼれる雫」 17.3x11cm
どうも、この図像は色がくすんでいます。
春の野原の気持ち良い光がパッと心に広がるような、
そんな絵なんです。

「好日」 38.5x17.7cm


前回は3年前の「不確かな姿」。
しっかりと構築されながら、うつろっていく脆さを内包した上質の作品が並んだものです。
さて、久しぶりに接した彼の作品は、大きく視座を移していて、窓が開いたような印象を
持ちました。

久野は「堅牢に構築してゆく仕事に息が詰まって、」といいます。
「ウェットな空気が必要でした。呼吸です。」ともいいます。
そこから、雨の作品と山の作品が出てきました。

雨はまさしく京都の雨です。彼の鼻腔がよく知っている風土の雨の空気を描くことで、心身
ともに開放されたに違いありません。
乾いた白い土が見る間に潤っていく夕立に、ホッとする盆地の人々。それがこちら側にも快く
伝わってきます。

山も優しい京都の山の姿。それには、巧まず万葉や古今につながる情緒がにじんでいます。
万葉の風が今も詠っているのを教えてくれる空気感を山に纏わせてくれました。

情緒が醸されるのはモチーフではなく、空気です。情緒という言葉に含まれている湿り気にはじ
めて気がつきました。

そう、息が詰まってしまった場所は生きている身体と離れた他所だったのでしょう。
息がつけたのは自分の場所に戻れたから。

彼はその場所が、京都というあまりにも既成の情緒感のメッカだったことに何処かでこだわって、
「情緒」に括られるのを避けていたのかもしれません。

ゆっくり気づいていった自身の「自然」でした。深めてきた思索や技術が自ずから導いてくれた
画境だと思います。


かけまくもかしこきDMに、久野さんと関係の無いような、あるような蛇足を入れてしまいました。

山部赤人の歌。なんでもないように詠っていますが、アーティストのどうしようもない情動の
ウネリを美しい自然とからめて、穏やかに伝えていて、秀逸なんです。
万葉のビロードの闇のなかで、春の大地と同衾したいと切実に願った詩人の魂。でも悠然と
天地の呼吸に揺られて宿(ね)たんですね。たぶん、うつ伏せに大の字になって、頬も地に
ぺったりつけて、たくさんいっぱい野原と密着しようと思ったでしょうね。


行雨
112x20cm



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オープンしました。
苔のショウルーム[DO‐SANYU」 
                          ドゥ・サンユー

ハウスクエア横浜/日本住情報センター 3F


アートフェアに続いて、横浜に苔の常設展示場が出来ました。
いつでも、苔が生えています。北條としては、マレーシアンテイストでキメテイルつもりです。
壁掛苔額だけでなく、正面玄関左側に外壁も施工いたしましたのでご参考に。
内野さんという、お洒落な都会派のアドバイザーが、「Can help you?」。
本業はイベント企画。彼の「人寄せの技」を見込んで、お願いしたのです。話題豊富。楽しい方です。


お問合先  ハウスクエア横浜 日本住情報交流センター : tel 045-912-4110 
     ホームページ  http://www.housquare.co.jp/



4月は 「アートフェア東京 2009

東京国際フォーラム展示ホール
閑々居は「苔」で北海道三祐株式会社のお手伝いです。

4月3日(金)---5日(日)
3日  11:00--9:00
4日  11:00--8:00
5日  10:30--5:00

1月に閑々居で展示いたしました「ミーノ・武田 苔庭を掛ける」を彼の提携会社である北海道三祐がアートフェア協賛ということで有楽町・国際フォーラムにて展開することになりました。
もちろん、閑々居はお手伝いするのであります。北條も会場にウロウロしておりますので、お声をかけてくださいませ。

今回は北海道三祐の事業としての「環境緑化」という大規模施工を紹介する目的です。
コンクリートの外壁や道路の側面壁のような大面積を苔で覆い、
二酸化炭素の削減と緑化による環境改善を進めるお仕事です。
(JR四谷駅の線路際の壁に設置することになりそうです。)

閑々居で掛けられなかった大きな作品も出品されます。
改良にともなってコストもだいぶんお安くなります。
注文で大小形容いろいろが可能になりました。
どうぞお出かけくださいませ。
パーテーション型  正面215cm コーナー奥行79cm  260万円
  水槽が下部の棚に収納されて移動可能。家具としてのクオリティーも充分。
玄関受付、応接室向き。
話題性と爽やかな空気で訪れる方々にきっと喜んでいただけるでしょう。
サイズ等はご注文に応じます。

「森から T」  68.9x98.5cm   70万円 「森から U」  99.3x68.5cm  70万円

これが終わりますと、

素敵なお家が並んでいて、「住宅のネタ大集合」の施設。一日遊べる穴場です。
建てようかな、直そうかな、の方々だけでなく遊びにいらしてくださいませ。


先日、北海道上富良野にある「カミホロ荘」という宿に、客室に掛けた「苔」を見学かたがた泊まってきました。
窓際の壁に大きな苔の額が掛かって、お庭があるように感じます。もちろん窓の外は一面の雪景色。
苔のお陰で湿度が40パーセントに保たれた部屋は、快適で久々に熟眠いたしました。

十勝岳の山麓の温泉宿です。深い雪の森を眺める露天風呂に飛び込んだ北條、寒くて髪が凍りそう。
星空を仰ぎつつ、熊が出た場合をシミュレーションしつつ、スープがとれるほど入っておりました。
翌朝、窓の下に鹿か何かの足跡が2匹分、左右から出会っていてクロスの部分がゴチャゴチャしているのです。
シバレる夜の間に静かに静かに何事か起きていた様子。何してたんだろ?

今回はお手伝いなので皆様にチケットをお送りしませんでした。
それでも、どうぞ、という閑々居であります。



3月の展示

三眠展

中村藤平・Bryan hitehead・中里繪魯洲


陶と糸と鉄の3人が醸し出す、閑々居のいつもならぬ香り。
藤平さんの得意の片口は銀彩や鉄釉。
BRYANの帯はお蚕さんから面倒みての柿渋染めが秀逸。
繪魯洲さんはとてつもない馬の風炉とかぼちゃ型の釜。
どうぞ面白がってくださいませ。
こんな風になりました。
中里繪魯洲の風炉釜・風炉先
BRYANの匂袋・箸袋・たばこ入れ
中村藤平の片口



2月の展示

竹内 啓
TAKEUCHI Satoru

2/9(mon)--2/16(mon)
  
この屏風、絵画ではないような、稀有なものです。
生き物のような。
あるいは物語のような。

あまりに情報量が多くて北條の脳ミソでは、まだ整理がつきません。







大満 PM5:28 
28/JUL/2007
100.5x272cm
沖の原
PM5:35
05/NOV
50.0x68.5cm

作家から

「山・水のコスモロジー」 

 先日、酒造りの杜氏のなんとも良い唄を聴いた。

唄うことで互いの作業のリズムをとると同時に何番まで唄うかで時間を計る意味もあるという。

そして総ての作業を完璧に行なっても出来栄えは神のみぞ知るというような不思議なものらしい。

だから言い聞かせるように、祈るように唄うのだそうだ。

 なんとなくその気持ちがわかる。

 

私の制作は山での作業なので特に筆を止めてから乾く間は地面の形状、気温、雲や天体の動き、

雨や風などの自然に左右される。第一、自分の意識の在り様も変化する。

しかし、そのどうしようもないものとの付き合いがおもしろい。

稀に様々な条件がうまく働いて自分でも驚くような効果が表れてくることがあるとうれしくなる。

深い何かが画面に定着される。私もまた祈るような気持ちでそれを待ち続ける。

 

 

竹内 啓





1月の展示

ミーノ・武田「苔庭を掛ける」
とっても好評で会期延長です。
1月13日(火)---2月4日(水)まで

会期延長の種明し

2月1日、日曜日10時から、TBSラジオの「アズミシンイチロの日曜天国」という番組で、「苔庭」が登場することになり、
5分間、閑々居から中継なのです。おでかけスポット、というコーナーだそうです。
北條はしゃべり過ぎるので出してくれません。武田さんがインタビューをうけます。

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地球上でただひとつ、COを貯めこんでくれる植物、ミズゴケ。
日本では絶滅危惧種になってしまいました。
その人口栽培に成功したミーノ・武田。
COを減らす方法は、もっともっとミズゴケを増やすこと。
ミーノ・武田のミッションは重大です。



この緑の苔の下にミズゴケが敷かれています。それが水を調整し、空気浄化に役立ってくれるのです。

この作品は中央部分にせせらぎがあって、水音をたてています。春になると眠っていた森の草の芽が出てきます。
ミーノ先生は野生のクレソンが生えてきたので、スープに入れて食べてしまいました。

苔庭を掛ける 

 彼は8歳の時から苔に魅せられて、その生態の観察研究を続けてきた「苔研究家」で、住宅や倉庫を苔で覆うという、苔の空気浄化の力や保温保湿力を人間社会に活かす方法(緑化)を造り出した、レッキとした科学者です。

彼が発明したミズゴケの人口栽培の成功によって始まった環境浄化事業、「緑化」と呼んでいる苔に覆われた外壁は保温保湿効果だけでなく、思いがけず美しいのです。
そこで彼は室内の壁に苔を掛けて育てることを思いつきました。彼は苔に恋をしている人ですから、恋人と一緒に居たいと思ったのでしょう。

「出来たよー、けっこうイイよ、アートさー。」と、さりげなく自慢げなので、完成した「額に入った苔庭」を見にいったのです。


 圧倒的なエメラルド色の輝きに息を呑み、しばらく言葉が出ませんでした。本当に木漏れ日の森の苔が、フカフカと額の中にあったのです。
2mもあるパーテーション、壁に掛かった大きい額、小ぶりの額、いろいろありました。石を配して湧き水のように水が落ちているものは、チロチロと水音さえたてています。
苔の間に羊歯がゆれているものもあります。苔に木片が埋もれて、原生林を思わせるものもあります。

目をよせて見ると、細やかな葉がそれぞれの秩序でちいさな宇宙を形作って、いろいろな種類の宇宙が微妙なニュアンスで全体の森感を作っていることがわかります。
どこまでも見たくなるミクロの魅力。苔の息吹で洗いたての空気が、みずみずしい緑色に染まっています。

「気持ちいいなー」とミーノ先生に言うと「あったりまえだよ、空気浄化って言ったでしょ、臭いの粒子は吸着するし、マイナスイオンだし、緑色は沈静効果があるし、云々々々・・・」と理系のお返事でした。

私は、彼が幼年期に森で過ごした至福の時間の幾ばくかを、壁に掛けられた苔庭によって体験したのだと思っています。

ミーノ先生が自慢するわけです。これは立派なアートです。

東京の真中で、森のカケラに出会ってください。
                

ミーノ先生の「苔庭」ができるまで。そしてその仕組み。ここをクリック

                                                 アートギャラリー閑々居 代表 北條和子



2008年12月の展示

長尾和典

12/8(mon)--12/15(mon)

写真で再現できない長尾作品。スキャンしたら、というアドバイスを得て撮ってみました。
ちょっと赤い感じがありますがどんなものでしょう?写真のほうが雰囲気
をとらえているように思えます。


08-1 25x18.5cm 08-2 30.2x21.2cm
今回の作品には、ピリピリと痛みを含んだカタルシス、という印象から、冷静な「表現」へ抜け出てきたような感があります。
しかし、表現の根源を握りしめる長尾の業は深くて、安逸を許してはもらえないでしょう。申し訳ないのですが、その切迫感は人々の心の皮膜を破る力であり、浸透力でもあって、大切な資質です。
14点の作品の並んだ画廊のたたずまいに、ゆったりした静かな気持ちになっていただけるとおもいます。
茶室で一服というおまけもございますし。

出会いに恵まれるのも才能の内、といいますが長尾和典の出会力はなかなかのもの。
昨年の暮れの展覧会の時期は引越し計画で、アレコレとネットで物件を検索しておりました。
6畳間では100号のパネルに紙を貼るのが困難きわまる作業だとのこと。
ちょうど画廊に来られた熱烈長尾ファンがそれを聞いて「当社のマンションの2階がちょうど空きます。8畳の部屋もある。どうですか?格安に・・・してしまいましょう!」
あれよあれよと決まり、東京下町に移ってきました。
続いてやはり長尾応援団の団長格某氏から「アルバイト、ウチでやらないか、」というお申し出。展覧会の設営という願ってもないお仕事です。
今年は良い流れに乗って環境が整ってしまいました。





9月の展示

藤井雷
「風のたより」
9月2日(火)・・・9日(火)

100mを越す絵手紙の連綿でデビューした藤井雷。
横浜美術館、大仏次郎記念館に続いて初個展です。
今回は扇子で、藤井雷が今どこにいるのか「風のたより」をお送りいたしましょう。


茶席扇子をはじめとして様々な扇子が25本。
床の間は墨絵「華僑の家」。エスニックな表具のタペストリー風です。

作品もさることながら、藤井雷のキャラクターは愉快です。

太鼓(東西を問わず)が大好きで、いろいろ上手に叩きます。
また、踊り(東西を問わず)も大好きで、大きな身体でノビノビ楽しく踊ります。
トコトコ、アジアのどこかへ出かけていって、太鼓叩いてスッカリなじんで、楽しく過ごしています、
と絵手紙を送ってくる、そんな自在な生き方が出来てしまう藤井雷。
彼の作品にはそのエキスがいっぱいです。


8月の展示

武田州左
8/2
(sat)--8/9(sat)
会期中無休 11:00--18:00

光の采 679  S50号 116.7x116.7cm パネル・麻紙・膠・岩絵具
7月の展示


山田昌宏
YAMADA Masahiro


7/7(mon)--14(mon)


ファルフィ  120号  ¥1,300,000
アクリル・メデューム、アクリル・ピグメント、雲母、蛍光塗料、綿布、木枠



ファンス M100号  \900,000 テニト M100号  ¥900,000





ドローイングNO.1   24x30cm  ¥50,000
ドローイングNO.3    54.5x32.2cm  ¥70,000


画面はどこまでも柔らかく、ほのかな光を放っています。
光学的な再現を許さない、人間の目の為に作られたモノです。
写真にも写らない何かを発表することは、彼にとって「表現」が動かしがたい必然をはらんでいるに違いありません。
その確信を閑々居は大切に思っています。






6月の展示



Exhibition
小滝雅道

点でもない、線でもない
no.399(本紙 90.5x27cm)
絹本・軸装
点でもない、線でもない
no.416(120号) 
綿布・木製パネル

2008年5月の展示


Exhibition
MAJIMA Hidenori
間島秀徳

直径150cmの円形がメイン。床の間には169×90cm、77×110cm。
「水の間島」と言われる作家。10日ほど前の連絡では、「連日嵐で、アトリエの中まで霧がかかって・・・」と言っておりました。
霞ヶ浦を見晴らすアトリエはガラス張りのトンネル(?)です。
いつも、湖と室内が一体化したような制作空間ですが、今回は激しく、水々しく一体化していたようです。
さてさて、楽しみではありませんか。
kinesis 347 直径155cm
 画面上部奥から手前に、迫ってくる鮮烈な流れは大きな空間の中で清々しく、マイナスイオンが本当に発散されているようです。
kinesis 341 
4月の茶室 作品は kinesis 338 5月の茶室 作品は kinesis 341
アートフェア東京 2008
4月4日(金)−6日(日)

 有楽町駅前東京国際フォーラム 展示ホール
ブース B−04

馬場伸子
「牡丹満庭図」

3月4日 11:00-21:00
   5日 11:00-20:00
  6日 10:30-17:00
 入場料 1500円

北宋画院の名品は、自然の姿を借りながらも悠久の天地の気韻を
描くべく、超人的な技法を駆使して描かれています。
馬場伸子が求める「真摯な絵画」のひとつの頂点です。
その頂きに向かって一歩踏み出した今回の「牡丹満庭図」、ご期待
ください。

牡丹満庭図 約100号 絹本  1対左 牡丹満庭図 約100号 絹本  1対右




12/3(mon)----12/15(sat)

長尾和典 個展


「32#9」 1303x1940mm 和紙・墨・木製パネル



 自作の前で「風景を見ても、人を見ても、こういう風なんです。」と不可解なことを長尾和典がボソっと言った。
 その時の彼の言い方に、「リアルに」というニュアンスが感じられて、ずっと気になっている。
 印象とかイメージとか言っているのではないのだから。


話はパッと跳ぶ。
北條は今、金庸(現代中国の武道小説作家)の「書剣恩仇録」というのを読んでいる。
とにかく超絶技の激闘、死闘が10ページごとに繰り広げられて、眼が回りそうなシロモノ。
闘いの場面を紹介したいが、長くなるのと外字が多い技の名前で煩雑を極めるのでやめておく。
中に、ちょうど良い、興味深いがまったく理解できない会話があったのでそこを紹介しよう。
イイモンとワルモンが、シミュレーションで闘う(話闘とでもいうか)という場面。

善:  ― 右は「明夷」に進み、「期門」を取る。
悪:  ― 「中孚」に退き、鳳眼手ではずす。
善:  ― 「既済」に進み、「環跳」を突きながら、左掌で「曲垣」を押す。
悪: 暫く口ごもり
    ― 斜め「小畜」に進んで、胴を守ると見せる。
善:  ― その手はいかん。ヌシの負けじゃ。

という展開なのだが、専門用語でまったく判らない。激しい技が行き交っているらしい。それでも読ませてしまう
文章力は驚異なのだが。

そこで、話はパっと戻る。
長尾和典の作品には、同じようなヤッタリトッタリが見える。
作品によって緩急様々だが、ある場面のエネルギーのドラマが表出している。
32#11などは、左手前から右奥へ鋭く走る力、それを受止めるモノ。
受止めて右下に膨らみ、左へジワジワと進む気配。
同じ場には、視線や声が交錯して、ドラマが成立している。

そんな見方もできる。
嗚呼、なんでもすぐに影響される北條である。





山 川  no.4  47x130cm  5枚連作
山 川 no.3 47x130cm 5枚連作
山 川 no.1 47x130cm 5枚連作
山 川 no.2 47x130cm 5枚連作
山 川 no.5 47x130cm 5枚連作



山 川 no.6  80x231.5cm 


懐かしさ、という「豊かな記憶」のリアリティーを伝えようと、白桃
の実をそっと籠に入れるように、紙の上に絵具を刷く。
霧散してしまいそうなイメージが包含する記憶の粒子を、絵具の粒子
に替えて、形象をゆっくり漉きだすようなことなのだろう。

絵具にこめた切ないほどの望郷を聴いて欲しい。

                                           北條和子







EXHIBITION
「植物達の時間」
笹井弘
10/18(thu)---31(wed)

インスタレーションピンホール写真絵本で試みる「天然時間」への逆照射>

笹井弘:インスタレーション・ピンホール写真
(北條和子:絵本の装丁、編集、文)


インスタレーションは、とびきり愉快に動く「ネコジャラシの散歩」「松かさのスクワット」、その他。
動画でご覧になるにはココ

登場する植物達 松かさのスクワット

ピンホール写真は、「植物達の時間」シリーズから約40枚を展示。
ピンホール写真は覗きカラクリみたいです。
このシリーズの「バナナ」の作品は「プリンツ21」の小品部門グランプリを受賞しています。



絵本は、「旅館はなぶさ」 

主人公は植物達。アヤしい「旅館はなぶさ」の
ヘンテコリンな客と、ミョウテケレンな従業員のケッタイなやりとり。



北條デザインのハードカバー・美装本です。



絵本「旅館はなぶさ」
「旅館はなぶさ」のご購入はE-MAILココクリック)

定価 2100円(消費税込)
送料   80円(1冊)
銀行振込確認後、3日以内に発送いたします。
(いろいろ検討の結果、これが一番お安い送り方でした。)

詳しくは下記・通信販売法を参照。

笹井弘:写真
北條和子:文・装丁
旅館の名前「はなぶさ」には何の意味もありません。
イカガワシイ感じの字づらの美しい名前にしただけです。


絵本から  1.「子宝の湯」
          お客様、お着き〜♪
             ご家族で? なによりで。
             当館、子宝の湯が名物で。
            あらら、はやくも効能が・・・・、




絵本あとがき から 

自然の喚起を目的に、普段動かない植物を動かす立体作品。
そこに登場する植物を被写体に、ピンホール写真で循環する時間をとらえようと試みる。
循環する時間とは自然の時間のことで、植物だけでなく人もこの中にいる。前に進む時間と循環する時間。前者は文明の宿命として、後者は近代において、ないがしろにされたり忘れられがちだった時間、と言えるかもしれない。

 そんな思いで、一枚一枚、単作品として撮影した写真。北條さんはそれを二枚一組にする荒業を繰りだし、人生からにじみ出たような言葉とストーリーをつけた。
どこかの誰かに期待していたが、その視点や内容は、私が期待していたまさに大人の絵本そのだった。
激しく変化して見せた写真達だが、ここにピンボケ写真の生きる道を見出して幸せを感じていることだろう。

                                                                                 笹井弘


笹井弘略歴


1
952年 長野県に生まれる
1977年 東京芸術大学油絵専攻卒業・安宅賞
1979年 同大学院修了
1995年 環境彫刻 &ユーモアアート展・大賞(船橋市)
1998年 神奈川県展・大賞
1999年 現代日本美術展・佳作、横浜美術館賞(毎日新聞社)
2004年 「植物達の時間」バナナ プリンツ21・小品部門グランプリ受賞
個展、グループ展、エコアプローチ造形ワークショップ活動など多数。
現在 エコロジカルアート・JAPAN 代表



ことの次第

 笹井さんの、「ネコジャラシ・インスタレーション」は傑作です。(今回も展示)
以前にNICAFに出品されていた折に、あんまり面白くて我を忘れて見てしまい、強く印象に残っていました。
そして去年、どなたかの個展を見に閑々居にいらした笹井さんに、あの作品の作家とも知らず
「絵をお描きになるんですか?」と声をかけたのでした。らしかったので。
「以前は描いていましたが、今はインスタレーションのようなものを・・・、」
「どんな作品なんでしょう?」
「あのー、ネコジャラシが・・・、」
「エッ、ネコジャラシ! まさか、NICAFに出されたことがあるのでは?」
「あります。」
「見ました、見ましたよ、面白くて面白くて。そうですかー、あの作品。」

その瞬間、閑々居で展示しよう、と決めておりました。でもすぐに作家にはそんなことは言えません。
何度かお目にかかってピンホール写真の作品を拝見して、ここでまた、
「この写真に、言葉を付けたいな! 本を作りたい!」と反射的に言ってしまったのです。
これは作家のコンセプトともぴったり一致。展覧会の申し入れもしました。

それから1年、2枚組みの写真でひとつの小話、それを何篇かまとめて1冊にする形式でいくつかのバージョンができました。どっぷり本作りにハマった1年間だったと思います。
きれいな絵本が出来ました。

そして、やっと展覧会にこぎつけました。ピンホール写真とインスタレーション、そして絵本です。面白がって不思議がって、そして、それぞれの日々の「人工時間」に思い至っていただけたら幸いです。
                                 
                                      北條和子


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販売業者名    アートギャラリー 閑々居
会社所在地    105-0004 東京都港区新橋1-8-4 丸忠ビル5F
運営統括責任者 北條和子(ホウジョウカズコ)
電話番号      03-5568-7737   FAX 03-5568-7784
通信販売用
メールアドレス   kakosan@venus.sannet.ne.jp
販売商品      書籍:「旅館はなぶさ」
販売価格      2100円(消費税込) 
送料         1冊80円 大量の場合は
お申込み方法   Eメール:(申し込み受付確認メールを差し上げます。)
お支払い方法   銀行振込確認後、3日以内に発送
            お振込み先:三菱東京UFJ銀行 銀座通支店 
                    口座番号:0261334 北條和子
お届け方法     ヤマト運輸(日本国のみ)
お届け時期     お申込み確認後5日以内に発送
不良品        着払い返品後、良品と交換、品切れの場合は代金返還
返品         不可         





OIZUMI Yoshihiro

9/10(mon)----9/22(sat)
17日(祭日)は営業

HAKONIWA  162x162cm

「みんな自分の想像の世界って持ってるでしょ、ボクのは『O』ワールドっていうんだ。楽しいんだよ。脳内秘密基地みたいなもんだな。」
「へー、ほんとにあるの?どんなの?」
「ホントっていうのかなー、ちょっと待ってて・・・・・見せてあげる。開けちゃダメだよ。」バタンッ!
工作室からカタカタゴトゴト、何か聞こえます。
待つことしばし。

「ほら、こんなんだー、」と見せてくれる 『O』ワールドは、その出来ばえに思わず「スゴーイ!」と歓声が挙がります。

工作室の中は『O』ワールドだらけ。
雰囲気はどことなく中世ヨーロッパ。
風や太陽や雲が科学される前の世界です。
よくよくよーく見ないと騙される立体感や材質は錬金術っぽくて素敵です。
デキる奴にしか出来ない、超越技法のワンダーランド。

さて、こんな事が現実にあったら素敵だと思うんですけれど・・・・。
そこで閑々居では「そんな事」を皆様に楽しんでいただく企画をたてました。
どうぞ、びっくりして面白がってくださいませ。
極上の遊びは、芸術体験です。

掲載の作品は全部平面です。


KAZE NO SOUCHI   162x162cm

JINKOUTEKISEKAI   194x162cm









「彷徨」/Wander


山本伸樹+山口亘
YAMAMOTO Nobuki +YAMAGUCHI Wataru

制作中   人影は山本氏  植物は萱(かや)
まだまだヤブは深くなる予定。

2007/6/7(thu)---16(sat)

その風景は不意に眼前に現れ、跡形もなく消えていった。
脳裏に鮮烈なイメージの残像を明滅させながらかすかな記憶だけを残して。
黄昏時、風を感じながら佇む。
脳裏に明滅するイメージ。かすかな記憶を頼りにその風景を求めて、
虚空を仰ぎ、
大地を彷徨う。

                                山本伸樹


画廊から

 データは末端の感覚器官が送り込んできます。無差別に捉えた刺戟のすべてを送ってきます。
生きているかぎりデータは連続して入ってきます。ログアウトすることなく死ぬまで続く脳の働きです。

脳は「表向き」を編集しながらも、データはすべて保存してあるんです。
先祖代々のデータもあるらしい。
「他のアプリケーションでも使用出来るように保存しますか?」当然です。

 最近、皆さんと共有出来る脳内アプリケーションが限られてきて、
その中での「表向き」だけが世間に通る正解、という場面に多々遭遇します。

アートと呼ばれるモノの存在意味が、そこに在る!
「なーるほど・・・、」とか「えっ!」とか、日常使っていないアプリケーションの仕事に出会うと、
保存したまま沈めてあったデータが浮かび上がって我ながらの新鮮さに驚くことになるんです。

 そこで、毎日毎日、手ごたえのない細切れのデータが行き交う「予定調和」から、ちょっと外れていただく企画です。

どうも閑々居が藪のようになるらしい・・・・。藪漕ぎです。

DNAに刻まれた古い古いデータを、
山本伸樹・山口亘コンビが得意の力仕事で蘇らせようというインスタレーションです。
豊葦原瑞穂の国の原野を彷徨した人々が、何を体感していたのか?

社会の構造だけが連綿する史学から切り替えて、自身の肉体に残る歴史(記憶)に気付いていただくキッカケになれば、と思っています。
失ってはいけない近過去の、父母、祖母祖父の体感をとどめる為にも。

北條和子


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バックはかえる
閑々居バックナンバー2007


アートフェア東京
A29ブースは閑々居
馬場伸子

花の馬場伸子で出店いたします。
先回に続いて「藤図屏風」、「山桜」、「牡丹桜」。
精進のほどを見てくださいませ。
藤は古来、生命力と長寿の縁起もの。
日本の豊かな春です。
「藤図屏風」左  162x180cm 「藤図屏風」右 162x180cm
牡丹櫻 絹本 和額

写真が暗いので残念ですが、丹念に描き込まれた重みのある花房が、あの濃い牡丹櫻の薫りを伝えてきます。
和装の額がよく似合います。
山櫻「朝日に匂う」 紙本 10号

「しきしまの やまと心と人とはば 朝日に匂う 山桜花」と本居宣長が詠んだ、日本の美意識のシンボル「山櫻」です。
朝もやの中から朝日をあびて目覚める花の姿をあますところなく捉えた優品。  

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広辞苑
桑原秀平編
3/12
(月)・・・22(木)

金沢美大の視覚デザイン科を今年卒業する桑原君が作ってしまった
23万語の「しとり広辞苑」


しりとり広辞苑:桑原秀平編
しりとり広辞苑 しりとり広辞苑 しりとり広辞苑



MAJIMA Hidenori
Kinesis/発生
1/18(thu)---31(wed)

間島秀徳 no.301 hydrometeor
no.301 hydrometeor

kinesis no.302  40x65cm


近年の一貫したテーマであるKinesisは、その制作プロセスをも揺さぶり続ける。

自然界が夜明けと共にゆっくりと動き出すように、イメージの初発は水と墨によるドローイングへと変化を遂げた。

墨の微粒子と水が交わり広がる姿にインスピレーションを得て、その後も繰り返される水と物質とのコラボレーションを通じ、新たなイメージの発生を切望するのである。

                      
                                間島秀徳



今回の個展の主要作品「Kinesis no.301150x540cm」は、荒々しい水の動きよりも、細やかな流れの重なりによって空間を広げ、オーロラのように頭上に伸びてくる塊や足元ににじり寄る氷筍を創りだしています。

しかし、今までにない強い形象性に驚きました。ゆったりと広がる構図が不思議に懐かしさを伴って日本の山河を感じさせるのです。
今回の個展にいらっしゃる方々から、「あの山、」「ふるさとの谷、」という声が聞かれることでしょう。(本人の困惑顔が見えるようです。)
もちろん、間島作品のことですから展示の環境が変わればスッカリ違う表情になるはずです。

また、小品がそれぞれ個性的でとっても魅力的なのも今回の特徴かもしれません。
                          *

 間島秀徳の場合、キッカケがあって作家の内部にイメージが発生します。それを素材に託して身体の外に顕現させようとします。自然の理は人類の美意識の母であると思うからこそ、ゆだねるのですが、物質である素材は自然の理を以ってしか働きません。

適材適所の差配は作家のものですが、しかし素材は測り知れないもので思いがけない力を発揮し、作家のイメージを超えてしまう事態も多々あります。現れ出てきた表象を受けとめて、彼の思う絵画へと引っ張っていかなければなりません。予定調和の生温さはないのです。本人が「コラボレーション」と言う所以です。
 確かに、重いパネルを持ち上げ、傾けて、暴走し、跳ね上がる絵具の流れをコントロールするのは格闘技。びしょ濡れのドロドロ。知恵と技と腕力で紙の上の美なるものを導き出すのです。
作品は壮絶な闘いの記録とも言えるでしょう。

 間島秀徳の「Kinesis/発生」は、創造と呼ばれるものの全てが持っている、人間と自然との互換構造を端的に示して、観る側にも新たな視点を提示しています。



                             アートギャラリー 閑々居  北條和子


参考作品 「Kinesis no.294」   240x720cm  2006年9月 テラタスタジオにて発表・12月より日立郷土博物館にて展示中・2007年4月より練馬区立美術館にて展示予定



閑々居バックナンバー2006






尾長良範 作品展




 昨年夏、画廊は常設。乱視で老眼の北條が汗々で眼鏡をかけずに
ウロウロしていた折です。尾長良範の10号がかかっていたのですが、
おやおや・・・?いつもとまったく違うモノに見えます。

薄墨色の楕円の小さな痕跡が連なる画面が、たとえて言えば花曇り
の池の面。痕跡は集散する波になり、花びらになり、にぶく光りながら漂っていました。
急いで眼鏡をかけて睨むと、それはいつもの筆跡の連綿です。
眼鏡をかけたりはずしたり、離れてみたり近づいたり、しばらくハマっておりました。

それからしばらくして、ご本人に遭ったので「ねー、ねー、貴方の絵ねー、不思議よ・・・、」
と勢いこんで話しますと、「そのくらいの事はやってますよ、」とニコニコしながらのお返事!

 湿潤でゆたかな表情の下に、密やかにもうひとつの美なるものを抱いていた作品への
驚きと同時に、静かに、絵を信じて制作し発表していく作家の在り様が心にしみました。
               
                 アートギャラリー 閑々居 北條





MAYUMIブランドのオカリナは大人気。無事終了いたしました。


「蛙の歌」の大合奏(大合騒)は本当の田んぼみたい。
誰も合わせようなどと思っていない、気ままな蛙ばかりが六匹。
北條もその一匹として力いっぱい吹きましたよ。
楽しかった!
お買い上げ下さった方々、練習なさってますか?

9月14日(木)--27日(水)

池田真弓
IKEDA Mayumi

きこえますか?
絵と創作オカリナの展覧会



「きこえますか?」 no.1  径25cm 「きこえますか?」 no.2  径25cm

C調を中心に、BやらGやらが30個くらいやって来ます。


 多才な池田真弓。今回は秋の色が見えてくるように歌うオカリナと、秋の音が聴こえてきそうな絵のデュエットです。

絵画作品は、いつもと大分違います。小さいけれど、暖かい優しい池田真弓、本人のような絵です。

オカリナ、この土笛が彼女の華奢な手の中からひとつずつマロマロと生まれてくるイメージは、エロティシズムを伴ったリアルな触感となって、手にとる人の心をとらえます。
用の美というような言葉をこえて、充分に豊かな「歌うオブジェ」です。
どうぞ、秋の夜長に懐かしい曲を。(閑々居はすでに3個持っておりまして、ご愛用でございます。・・・上手に吹けませんけれど。)

日展に出品し、日本画家として知られる池田真弓の知られざる一面を紹介いたします。




長尾和典展は大成功。無事終了です。
完売です
ありがとうございました。
7/20thu--8/2wed

EXHIBITION
NAGAO Kazunori
長尾和典

 
参考作品
整理番号 30−12 100号
¥750,000

* 作家はタイトルを付けませんので、便宜上の整理番号を用います。


作家から


もろもろのかかわりあいには

あるものとあるものの境目の 

あいまいになることがあり、

そこにに出くわすと内も外もなくなってしまう。

僕にとってそれは貴重なことだ。





画廊から

 ある種の哀しみを含んだ、張り詰めた囁きが確かに聞こえてくるのですが、どこからそれが響いてくるのか、閑々居には判らない・・・、のです。
 
 作品は、成り行きにまかせて絵が生まれ、育ってくる手法のように見えています。
大胆かつ繊細な筆致やコラージュの陰に、用意周到かつ緻密な構造が隠れているのを見破る観者は多くはないでしょう。多くの人が魅了されるというのに。

当初、東北アジアの絵画作法にどっぷりつかった閑々居も、和紙や墨、線による表象に目くらまされて、それを馴れた読み方で読もうとしていました。
大間違い!彼は、まったく西洋絵画のセオリーの中で制作し、なおかつ、そんなことはどうでもいいという人です。(もちろん洋画云々のカテゴリーとは別問題です。)
それに気がつくと独特な表情を持つ彼の線が、それ自体に表現が託されているのではなく、しなやかな構造のパーツとして縦横に機能していることが見えてきます。
どうでもいい、と言えるだけの土台を持った、したたかな仕事です。
しかし全体に漲る清潔なエナジーは、したたかさを感じさせるものではありません。
さて?

 理論や分析を寄せつけない領域に、芸術によるコミュニケーションの不思議が宿っている、と思うのは単に閑々居の不明によるのでしょうか。
                     
             アートギャラリー 閑々居 北條和子




とても簡単な画歴
1976年  シドニーに生まれる。
2002年  多摩美術大学油絵科卒業
2002年  「個展のような」   アートギャラリー 閑々居 東京
2005年  「リゾーム/脈絡」  アートギャラリー 閑々居 東京
2006年  EXHIBITION 長尾和典  アートギャラリー 閑々居 東京





馬場伸子

花の譜

4月13日(木)--26日(水)
11:00--18:30 日曜休廊




 前回の初個展から2年、念願の藤の屏風ができました。二曲一双の大作です。

藤の花房のやわらかで豊かな風情、それを包むふくらかな光。盛春の朝、生命の粒子が微笑んでいます。花の前に佇む一刻の静かな高揚感が、まどろみの中でみる幸せな夢のようです。

 春も秋も藤をスケッチしていた2年間でした。ある日、我が家の小さな藤が花をつけたので「咲いたわよー、」と知らせるとスケッチブックを抱えて朝からソサクサとやってきました。ソサクサと写生が始ります。
堅い鉛筆での線描スケッチです。
ジンジン音をたてそうな集中力でゆっくり線を引いていきます。けっして上ずらない的確な線です。
・・・・お邪魔ですね、退散、退散。
ほっておくと、夕方まで描き続け「お腹すいたー、ふー、」と居間の椅子にへたり込み、でも「こんなの・・・、」と遠慮がちにスケッチブックを開いて、その日の成果を見せてくれました。そのまま発表させたいような美しいスケッチの数々。(折をみて、お目に掛けたいと思っております。)

 屏風がほぼ出来たというので見にいきました。屏風の中に、窓を開けたら揺れそうな藤の花が夢のように咲いていました。
その夢を夢にしているのが、背景となっている地塗りの効果であることに気付くのには時間はかかりません。上部からの浅黄のグラディエーション。キラを曳いた滑らかな塗りの柔らかな深さは比類なく美しく、繊細な藤の花をしっかりと支えています。
一昨年の個展から、一歩も二歩も進んでいました。

 ミツバチのように花に吸い寄せられ、蜜ならぬスケッチを小さな部屋に貯めこんで、それを絵にする夢を楽しみ、絵具を擱いてゆく筆触を楽しみ、まったくもって真から花が好きで絵が好きで、ペットの小さなウサギに「ミリちゃん、ほら、きれいでしょ?」と訊ねている馬場伸子です。




八重桜「桜香」  絹本 軸装




山桜「卯月」 紙本額装





「皐月早晨図屏風」 二曲一双






「光の未発に」
内倉ひとみ

2月16日(木)ー28日(火)


ルミエール06(部分)
アトリエで平置きのまま撮影




閑々居バックナンバー2005


武田州左展
TAKEDA Kunisa

2005/11/17 thu -11/30 wed
新シリーズ「
2004年の秋から始まった「光の采」(ひかりのあや)シリーズから武田州左さんの仕事が大きく変わってきました。

風通し良く、しなやかで日本の風土に根ざした清々しい心地よさがあります。
従来の技法の密な緊張感と軽やかな筆跡が緩急調和して数年来の試みが結実してきたことを感じます。

 岩絵具の魅力である透明感、身体の動きを伝える線による表現などが、薄塗りになってはじめて生きてきたようです。
どんどん日本画になっていく武田州左。
稀有な作家だなァ、と今回もつくづく思う閑々居であります。






中里繪魯洲
NAKAZATO Erosu

2005/9/22thu-10/5wed


笛吹き組合」
「漏斗の穴から流れる雲をみる」



子どもの頃、光を箱に閉じ込めようとしたことがある。
明るいところで箱の蓋をさっと閉じ、暗い場所へそれを
持って行き開くとパッと光が出ると考えたのだが、出なかった。
それ以上の追求を試みなかったところが、私の凡人さであった。
長じて、光の速度は1秒間に地球を7周もする事を知って悟った。
光は閉じ込められることを恐れて蓋の閉まる
寸前に逃げ出す事など、その速さであれば朝飯前だったのだ。
明滅する螢を手のひらにそっと包んで、光を捕まえたと興じたことはあった。
螢は光る虫であって、光そのものではなかった。
光と闇。見えないものの存在は、私にとって不思議群の頂点にある。

 私は、自然界に生じた空木(うつぎ)などに見立てて箱を造り、私の中の光と闇、また萎縮と傲慢の化身である異形の箱を、納めて蓋を閉じる。そして誰かが箱の蓋を開く時のときめきは、天に罅(ひび)が入り、異界が出現するときめきである。

                           2005年7月  中里繪魯洲


箱型作品を中心に小品オブジェ数点。

箱というものが持つ不思議。
無限をちょっと囲い込んで有限。そしてまた、入れ子の箱のような無限への入口。
不思議の入口にふさわしいモノの出現。
中里繪魯洲の想像力が走ります。
「鐡國綺譚」から3年、またまた繪魯洲の世界から閑々居へ客人(マロウド)のご入来。
彼にとって「箱」は創造の原点。
「箱」が何やらを生む、と感じているようです。

アンティーク掛時計
9月1日(thu)ー10日(sat)
 知人の家におじいさまが集められた古時計がたくさんあって、10日ほど閑々居が時計屋さんになることになりました。時計だらけです。
いろいろな時計が勝手にチクタク、ボーンボーンといっております。

 古いものですから動かないのも部品が足りないのもあります。掘り出しものもあるかもしれません。名品ユンハンスもキンツリーもあるんです。もちろんお利巧もののセイコーも。大切にされていたらしく、ネジを巻いた日時などのメモが入っていたりして、嬉しくなります。
専門外の閑々居はよく判らないので修理も鑑定もせずに1000円から200,000円まで、
お楽しみイベントの時計屋さんですから、お使いになるのならば修理屋さんをご紹介いたします
ユンハンス社 明治後期 \200,000 ユンハンス社  明治期  ¥200,000









山田昌宏
EXHIBITION  The faintest 弱度
2005/7/14(thu)―7/27(wed)


とにかく、人間の視覚の微妙な微妙な働きを、微妙に微妙に働かせて、山田昌宏の欲しい画面が出来上がっています。
DMに画像を入れることも諦めたほどです。写真にも、印刷にも耐えないほど、作品がデリケートなのでしかたがありません。
絵画の唯一性とか言う、実物でしか判らない表現・・。
本人にとっては必然なのでしょうけれど、よくも潔くそれを選択したものだと、感服しております。

はじめて山田昌宏に作品について訊ねた時、彼は「ジャクド。」とぶっきらぼうに言いました。
「何ですか、それ?」と聞き返すと「強度じゃなくて弱度」。
びっくりしました。

なるほど弱度の物差しで測ってみると、目盛に眼差しの深さが読めます。
視覚に依拠しながら、視覚から遠ざかって五感の記憶をまさぐることになるからでしょう。
山田昌宏の作品についていえば、彼の導く記憶はやわらかく、あたたかく、親しいもの。

今、それは弱度を増し、深く豊かに広がって、ますます見えなくなって、そして、とてもとても美しいのです。


ということで、閑々居は山田昌宏の「弱度」をお目にかけます。
確かめにいらしてくださいませ。


「リエッタ」120号





内倉ひとみ
INSTALLATION
内倉ひとみのアトリエ
5/18-5/31
numbers ¥20,000


パリの個展でも好評だったnumbers、透明
な樹脂を埋め込んだカラフルな数字が陽光を
受けて薔薇窓のよう。吸盤で窓に付けます。

光のテーブル ¥600,000
numbers ランプ ¥80,000

窓辺に若葉の光をたたえて置かれているの
も良し、輝く孔雀のテーブルにするのも良し、
ペンダントライトの元でティーテーブルにするも
良し、様々な宝物を乗せるも良し、使う方の
感性と作者の感性のデュエットです。


間島秀徳
exhibition 間島秀徳のsui−boku
4/1-4/14

kinesis251 ¥80,000
kinesis261  ¥100,000



間島作品の骨組みのひとつ「水と墨の部分」を取り出して、独立させた作品です。
「WATER WORKS」や「KINESIS」の重厚な画面の下には、様々な隠しワザがほどこ



されているのですが、そのワザの中には、こんなに魅力的なものもあったのです。
長尾和典

exhibition :Rhizome:/脈絡
2/17-3/2

題名はありません。
作品は完売いたしました。
画廊から、長尾和典さんのこと。
 3年前、菊地武彦さん(多摩美洋画科助教授)が、「面白い生徒がいるんですよ、」と長尾和典君のことを楽しそうに話してくれました。
ほとんど学校に来ないのだけれど、作品は良い、とにかく墨の細い線でシコシコ描いていて、それが何だか気になる良さを持っている、とおっしゃるのです。
「見たいですねー、菊地さんがそう言うんだからきっと良いんだわ。ファイルでも持って来てくれたらいいな。」
「じゃー、来るように言っておきますよ。でも来るかなー、人見知りするからなー、」
それからずーっと、菊地さんがみえた折に何度か「長尾、来ましたか?」と言われるので、「いいえ、みえませんよ。」
多摩美を卒業した彼は一年後に現われました。

 両手に大きな荷物。ダブダブのコートを着た長尾君は、どこか幼さが残っている顔を毛糸の帽子で半分くらい隠して、画廊の入口に立っていました。
「写真で見せても判ってもらえないから、作品、持ってきました。」と、はにかみながら言うのです。
それを聞いて、まず嬉しかった。写真やディスクを媒介させて見たり見せたりすることが当たり前になっている昨今、いいぞ、と思ったのです。
 30号くらいから横長2号くらいまで13点。どれも規格サイズではありません。
紙の上に墨のクモの巣のような線。線はさまざまな表情を持って絡み合い、引っ張り合い、強い構図を造っています。
なんというリアリティー。浮かんできた言葉はリゾーム、思索の構造、脈絡。
思索の構造自体がジェネレーションを感じさて、そして、その思索がなぜか哀しい。切ないのです。

 「いいじゃなーい!せっかく持ってきたんだから並べようか?個展ってわけにはいかないけれど、個展のような、っていうのはどう?ちょうど画廊、来月の企画まで空いてるし。」
彼はパっと明るい表情になって頷いてくれました。
というわけで、広告もリリースもDMも無い「個展のような」の展示をすることになったのは2002年の2月。
並べてみると立派な個展のおもむきになっています。26歳とは思えない成熟した仕事です。
架けましたよ、と電話をかけておいたのですがトンと本人は現われません。

画像付きの看板を「個展のような」として出しておいたら、人が入って来るではありませんか!閑々居は五階にあるのでイチゲンのお客様というのはめったにないというのに。
そして、完売。ほとんどが看板を見て入ってこられた方でした。いくら良い作品だから架けたと言っても、これには驚きました。本人はもっと驚いたようです。「売れましたよ、」と電話を入れると、二呼吸くらいの沈黙の後で「ほんとに?」と聞き返していましたから。
再三の電話でやっと現われた彼は古い大きな素敵な靴を履いてきたものです。

作品が貯まったら個展をしましょう、と言ってからまた2年。今度は「:Rhizome:」で本当の個展となります。
作家が危惧するように、お送りする図版は実物とだいぶ違います。どうぞ会場でじっくりご覧ください。
ひとりの若者の見え難い「脈絡」が、細い筆先でなぞられて外気に触れているのをヒリヒリ感じていただきたい。



                             アートギャラリー 閑々居 北條和子

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